反面、大きな資金(最低でも1000万円ぐらい)が必要であり、換金性(流動性)が低いため、一般の個人投資家が手を出しにくい投資対象です。
不動産投資信託(リート)は不動産投資の欠点を補い疑似的に不動産投資ができる商品です。
不動産を中心に運用し、そこから得られる収益を投資家に配当する投資信託です。
賃料収入からコストを引きその90%を投資家に配当として還元します。
原資が賃料なので比較的安定しており、3〜4%の利回り水準は確保しています。
リート自体は課税されず、毎年の配当と売却益が課税対象となります。
リートは東京証券取引所に上場しており、株式と同様いつでも売り買いできますので、流動性はきわめて高い投資商品といえます。
最初に上場したのは、三井不動産系の日本ビルファンド投資法人でした。
2001年の上場時の価格は60万円強でしたが、現在は100万円を超えています。
配当も最も高いときで6%に近いときもありました。
7月の段階で東証には34のリートが上場しています。
02年の取得総額が約6080億円だったのに対し、今年3月末のそれらのリートが保有する不動産の取得価格の総額が、前年同月比62.8%増の約4兆260億円に達し急成長ぶりがうかがえます。
価格は1口40万円前後から100万円ぐらいで、比較的用意しやすい金額で不動産投資に参加できます。
オフィス中心、住宅中心、ホテル中心と投資方針にも特色があります。
各リートに投資して安定的な収益を狙う投資信託も発売されています。
日本、米国、日米のそれぞれのリートに投資しているものなどがあります。
毎月決算方式のものが多く、2〜3%の配当が支払われます。
リート関連の商品は安定的な収益が背景にあるので、比較的価格の変動が少なく、ポートフォリオ(分散投資)を組むときのリスクヘッジとして活用するのも良いようです。